目次
1. 新しい授業形態
(教科担任制)
教科担任制のための加配がある場合は、授業の交換を基本として比較的簡単に教科担任の授業を設定できる場合もあります。しかし、年間総授業時数が35で割り切れない時数調整が必要な科目もあり、小学校での教科担任の時間割作成には多くの配慮と作業が必要になってきています。時間割作成を難しくする条件には、以下のようなものがあります。
・1学年3クラス以上ある場合
・加配の先生がいない場合
・非常勤講師・外部連携の先生の時間制限が厳しい
・TT・少人数指導・習熟度別授業等の授業が多い場合
・行事やイベント対応が必要な場合
・急な変更が発生する場合
(ティームティーチング・少人数指導・習熟度別授業)
ティームティーチングでは1クラスを複数の先生で指導します。少人数指導、習熟度別授業では、1~2クラスを複数のグループに展開して複数の先生がそれぞれのグループを指導します。同時に指導する複数の先生の条件(授業できる時間)がそろっていないと時間割作成が難しくなります。
→「新しい授業形態」への「イデアのAI時間割」の対応
「イデアのAI時間割」は長年、小学校から高専まで教科担任制のある学校の時間割に対応してきました。ですから教科担任制やTT・少人数指導・習熟度別の授業の設定と運用は、「イデアのAI時間割」にとって難しい作業ではありません。先生・クラス・科目・教室の基本情報及び条件を入力し、授業設定を行い、「作成」(=授業の配置を行う「駒入れ」という作業)を行うだけです。短時間に時間割が完成し、多彩な形式で閲覧・出力ができます。
「イデアのAI時間割」にとって、週時間割や月時間割の作成も簡単な事です。時間割の変更や運用が短時間でできるからです。授業内容・条件・配置の変更が容易で修正作業は最小限です。
2. 時間制限のある先生に関する考慮事項
(非常勤講師や中学校との連携で時間の条件がある先生)
非常勤講師や中学校との連携などで授業時間に制限がある先生の科目(英語など)は、先に授業時間を固定して配置する必要があります。授業時間が決まっている授業が多くなると、他の科目の配置が難しくなり、様々な配慮条件を守れなくなってきます。
出校日時が決まっている先生、勤務日数や時間数に制限がある先生、出校できない日時がある先生などそれぞれの条件にも配慮しなければなりません。
(定年後再雇用などの先生)
定年後再雇用の先生も増えてきました。定年後再雇用の場合の時間制限はそれほど厳しくない場合が多いですが、出校しない日があったり、一週間の授業時数の制限がある場合があります。それらも考慮して時間割を作る必要があります。
→「時間制限のある先生」への「イデアのAI時間割」の対応
「イデアのAI時間割」には、設定できる先生の個別条件が豊富に揃っています。以下の画像を参照して下さい。個別のオプションの設定により先生の状態にふさわしい条件を設定でき、これらの条件を厳守して時間割を作成します。
・先生の個別条件の設定
先生の属性や個別の条件を「先生の詳細」で設定できます。先生個別条件は、全体条件より優先されます。先生別の「先生禁制」(赤い三角)を設定しておくことで、授業が入らないようにできます。
先生個別の条件に合った時間割作成を可能にします。
・全体条件の設定
全体で統一の駒入れ条件を設定できます。一般的な条件を「全体オプション」に設定しておいて、先生や科目それぞれの個別条件を「個別オプション」で設定できます。
こうすることでより細かく条件に対応して時間割を作成することができます。
3. 働き方改革への対応
(空き時間の確保と担当時間数の平均化)
働き方改革として、全ての先生に1日に1時間以上の空き時間を確保して授業以外の業務に充てると言う動きがあります。また授業と校務分掌をあわせた負担も均等になるように割り当てていくことも求められています。
(先生の育児休業・出張・病欠)
現在は先生が育児休暇を取る事も普通になってきました。また出張や突然の病気による欠勤も当然あります。このような場合も以前は比較的楽に調整できましたが、教科担任制のもとでは影響が複数クラスに渡るため、配慮が必要な要素が多くなっています。
→「働き方改革」への「イデアのAI時間割」の対応
「イデアのAI時間割」では、全体及び個別オプションを設定する事により、先生の空き時間の確保ができます。
先生の育児休業や出張・病欠などには、AI手直しの機能を活用して授業の持ち手の変更や授業の振替などを行って、学校全体を見渡して矛盾のない時間割変更が行えます。
以上の項目の調整には以下の機能も役立ちます。
・クラス別・先生別の「授業確認」で基本の授業時数がわかります。
(授業の確認-先生別授業確認の画面)
・先生や科目個別の条件も一覧で見る事ができ、変更できます。
→2.(「時間制限のある先生」への「イデアのAI時間割」の対応)を参照して下さい。
4. 行事や急な事情発生での考慮事項
(行事に関わる時間調整も複雑に)
行事にあわせて時間割変更が必要な場合が多々あります。大規模な行事では学校全体の臨時時間割の作成が必要になる場合もあります。その際、行事のある週の臨時時間割の他に、時間調整のための臨時時間割も作成する必要があります。
時間調整の為の臨時時間割を作成するに当たっては、必要な授業時数の内どこまで完了したかという点と、行事で減った授業を把握して臨時時間割で補うように管理する必要があります。
(感染症等によるクラス・学年の休業)
例えば感染症等によって突然クラスや学年閉鎖になった場合、時間割変更を行って授業時数をあとで調整しなければなりません。この場合も教科担任制では授業に関係する先生が多いため、調整の際に配慮する項目が多くなります。
→「行事や急な事情発生」への「イデアのAI時間割」の対応
「イデアのAI時間割」は時間割の変更も得意としています。操作に慣れれば短時間で時間割変更の作業を行う事ができます。
簡単な変更は「AI一覧画面」のマウス操作で行えます。ドラッグでの移動の他、右クリックで振替提案などの「残り駒の出ない移動」が可能です。また時間割完成後も授業の変更や条件の変更を柔軟に行えます。修正に伴う再作業の量は最小限で、短時間で変更する事ができます。
(簡単な変更・AI時間割の画面)
・↓動画gifです。振替の操作が繰り返し表示されます。
臨時時間割は最初に作成した基本的な時間割から名前を変えて保存し、必要な変更をします。不要な授業を削除し、必要な授業や行事を追加して、臨時時間割を作成します。条件が変わる場合は、オプション条件なども変更します。
「授業の確認」や別プログラムの
「年間実績」を利用して授業時数の確認や集計も行う事ができます。
「スクールパック」には臨時時間割の作成を支援する(
「行事の簡単設定」)があり、更に便利になっています。
5. 特別支援学級
(特別支援学級と教科担任制から受ける影響)
教科担任制の導入で時間割全体が複雑になるため、特別支援学級の時間割編成にもこれまで以上に考慮しなければいけない条件が増えます。
→「特別支援学級」への「イデアのAI時間割」の対応
「イデアのAI時間割」は特別支援学級の時間割も組む事ができます。また実際の学校でも運用されています。運用方法としては以下の二つがあり、「イデアのAI時間割」はどちらも対応できます。
(1) 「特別支援学級用」と「通常学級用」の二つの時間割を作成
→特別支援学級用と通常学級時間割用の二つを別々の時間割として作成します。
特別支援学級用の時間割は、学年毎等に基本時間割を作成します。児童には、上述の特別支援基本時間割に通級する授業を反映させた時間割を渡します。この際は、まず時間割データをcsvなどで書き出したのちにワードやエクセルを使用し児童個別に用意します。特別支援対象の児童生徒の数が多い場合に、この方法が適します。
この方法では、特別支援学級内だけの変更であれば特別支援学級の中で対応する事が可能で、通常学級の時間割係への負担を減らす事ができます。
ただ時間割に変更がある場合は、注意が必要になります。どちらかの時間割の変更があって、もう一方の時間割に影響がある場合は、両方の担当者で連絡を密にしなければなりません。また行事などで通級授業も変更しなければならない場合は、両方の時間割係で相談して二つの臨時時間割を作成する必要があります。
具体的な設定方法については、
「二つに分けて作成する方法」を参照して下さい。
(2)一つの時間割に「通常学級」と「特別支援学級時間割」を含めて作成
→特別支援学級の児童一人を1クラスとして設定します。「特別支援学級だけの授業」と「通常学級だけの授業」、及び「特別支援学級の通級授業」(合同授業として組みます)が一つの時間割の中に入ります。
特別支援学級も含めて一つの時間割です。特別支援の対象の児童生徒数が少ない場合は、時間割データが一つにまとまっていて変更も一緒にできるので、こちらの方法が合う場合が多いと思います。この方法で時間割係の先生の負担を減らす為に、特別支援学級の先生にも時間割係として作業を担当してもらい、相談しながら作業分担していく事も考えられます。
行事などによる時間割変更で通級授業も変更が必要が出てきた場合は、元の時間割から別データとして臨時時間割を作って対応します。この際も作成する臨時時間割は一つですので、作成作業は比較的楽です。
具体的な設定方法については、
「一つの時間割で作成する方法」を参照して下さい。
(3)「体験版」とイデアのAI時間割の画面の例
体験版に添付された小学校のサンプルデータの他に、
「特別支援学級も含めたサンプルデータ」もありますので、ぜひこちらも試してみて下さい。体験版もサポートを行っています。
→(2)の例:(特別支援学級を含む選択授業一覧画面)
→(2)の例:(特別支援学級を含むクラス一覧画面)
6. イデアのAI時間割へのQ/A
Q1(学校毎に異なる小学校の事情に対応しているか)
Q1.「イデアのAI時間割」が個々の学校の小学校の事情に対応できるのか、知りたい。
A1.「イデアのAI時間割」は、教科担任制を先行して導入した小学校や小中学校に採用されてきました。小学校の中には20年来ほぼ毎年のようにバージョンアップしてくださる学校様もあります。
また、導入された小学校の形態も、私学の小学校・公立の小学校から小中学校、義務教育学校、日本人学校まで多様で広範囲にわたっています。
小学校のサポートの経験や知識も積み重ね、小学校で必要な機能も追加してきました。小学校の先生からも高い評価を頂くようになっています。
Q2(使い方は簡単か)
Q2.機能は便利でも使い方が難しいと使えないので、どの程度簡単にできるのか教えてほしい。
A2.作成の最初に、エクセルで入力できる「名称の簡単設定」で先生・クラス・教室・科目の基本情報や個別の駒入れ条件を設定できます。これらはエクセルから簡単に取り込む事ができます。
また、授業の登録についてエクセルで設定する事ができる「授業簡単設定 小学校用エクセルブック」があります。
その後は、エクセルで設定しきれなかった複雑な設定の授業のみを追加し、全体及び個別のオプションを確認・修正してから「作成」をクリックすれば短時間で、設定した条件を守った時間割が完成します。
時間割に変更があっても、変更部分の修正作業を行い、修正に伴い配置が外れた授業を「作成(続き)」等で駒入れする作業で完了します。変更に伴って外れる配置は最小限となっています。
使い方がわからなくなった場合でも、購入後1年間は無料サポートがあり、電話・メールFAX等で質問し答えを得る事ができます。イデアシステムのていねいなサポートは定評があります。
7. おわりに
「イデアのAI時間割」が、いかに小学校の時間割作成に役立つか紹介させて頂きました。「イデアのAI時間割」は広範で多彩な学校のニーズに応えてきました。
学年は最大16学年まで対応しますし、時間的な枠組みも12日×16時間の大きな枠の中から選択できます。複雑な授業も設定できますし、多彩な条件を設定しても時間割を完成できる構成になっています。多機能ですが簡単に使えるように各所に工夫しています。
「イデアのAI時間割」は「小学校」から「中学校」「高等学校」「高等専門学校」「大学」「各種専修学校」まで31年間対応し、6400校以上の学校に導入されてきました。(2024
年時点)
年度初めの時間割が作成できるだけでなく、毎週の変更・調整・運用、臨時時間割作成・授業時数集計に活用されています。
「イデアのAI時間割」は「楽しめる時間割」として学校の役に立てるよう長年努力してきました。これからの小学校でも、時間割作成・運用・管理に役立つ事ができると思います。ぜひ体験版を利用して機能をお確かめ下さい。
体験版には、小学校のサンプルデータも添付されています。読み込んで設定・変更も行ってみて下さい。